オーナーさんが現場に。
1/25にオーナーさんが現場を見に来られました。
これまでに何度か現場を見られていましたが、今までは足場があったりサポートや型枠があったりとなかなかその空間を体感することができませんでした。しかし、ここにきてようやくそれらが外され、スケルトン状態ですがその空間を体感できたと思います。今まで以上に時間をかけてじっくり見られていたその姿がとても印象的でした。
オーナーさんはあっちにこっちに移動しては考え込んでしました。今まで私たちと何度も打合せを重ね、自分の中にできあがったイメージと実際の空間を重ね合わせていたのだと思います。
いい建築をつくりたいと思うのならば、どうしたらいいのか。それはいい建築の空間を体感することだと思います。本に載っている写真をいくら見ても所詮は視覚を働かせることしかできません。空間を体感すること。それは空間を五感で感じるということです。いい空間というのは、一つの要素では成り立っていません。その空間、場所でしか感じることができないものをどれだけ引き出せるか、それが一番大切なことだと思います。
ひと昔前は、その場所性を無視した開発が至るところで行われていたと思います。風土や土地を画一的にしかとらえていない建物はそこでなければ成り立たないわけではなく、平地だろうが斜面地だろうが関係がない。そんな建物が今でもたくさんあります。日本には四季があり、日本人は昔から自然を神聖なものと考えていたので、いかに住まいに引き込むか、取り入れるかを考えてきました。例えば坪庭もそうですし、障子もそうです。もともと、ゲニウス・ロキ(地霊)というものを大切にしてきたのだと思います。
一見、モダンでスタイリッシュな建物でも、見た目や機能、ディテールにしかこだわりやコンセプトがない建物はつまらないものです。しかし、設計手法としてコンセプチャルになればいいということでもなく、大事なのはその風土や場所性、文脈を考慮することであると思っています。